「デスクトップP2P/グリッド」は今でも若い人を惹きつけるみたい

 我々の世代(40代後半)から見ると不思議に思えてしまうのですが,若い学生さんは今でも「デスクトップP2P/グリッド」を作りたいと思う学生さんが多いようです.私は1回目のIPA未踏PMをやらせていただいたときにデスクトップP2P上にMMOG (Massive Multiplayer Online Game)を作るというプロジェクトを採択したことがあります.

オーバレイネットワークを用いたMMOGインフラストラクチャの開発
飯村 卓司(奈良先端科学技術大学院大学 インターネット工学講座)

 採択したのは2004年度.今から6年前.今思えば,少なくとも日本においては,この頃が「デスクトップP2P/グリッド」への期待感が一番高かったのかもしれません.実際,この時期,このアプローチでの公募提案は多かった.学会での論文発表もあった.現在は,未踏提案においても,学会発表でも,ほとんど目にしなくなりました.(その代わりに今は「クラウド」のオンパレード)

 でもなぜ,今の若い学生さんが「デスクトップP2P/グリッド」をやってみたいと言うのか? 一つの予想ですが,6年前頃とは,若い学生さんが多感なる中高生の頃.あの頃は,SETI@homeFolding@home, Skype等が盛んに日本のマスコミ等で取り上げられた時期.若い人達は,そこに夢を見て,いつかは自分もと思って,コンピュータの道に進んできたのかもしれません.