世界柔道選手権大会と筑波大

 10月4日発行の筑波大学新聞によると,9月に行われた世界柔道選手権大会(東京)で筑波大学の現役,OB,OGでメダル10個(金4,銀2,銅4)を獲得したそうである.立派なことである.こちらに大学広報による記事(写真入り)があるが,現役学生がメダル6個(金2,銀1,銅3).立派だ.

 私はスポーツ選手の経験はないが,「ホーム」での開催は相当に有利と思う.慣れた食べ物と社会環境,言語,時差なし.ストレスが非常に少ない.特に日本人はグルメな国民であるので,一般に食べ物の変化に敏感.こんな海外製ジョークがあるそうである.「日本人が責めてきても心配ないよ.彼らは日本食がないと弱って,帰りたくなるから」私もそういう一人である.

 ホームであればいつも好成績をあげられるかといえば,必ずしもそうでない.プレッシャーも高い.トッププレイヤーでは,海外に滞在中の方がむしろにこやかに,ストレスなく暮らせる人もいるようである.

 今年は「柔道の父」と呼ばれる嘉納治五郎の生誕150年である.今回の世界選手権のメダルには,嘉納の肖像と,彼の教えである「精力善用 自他共栄」の文字が刻印されているそうである.ちなみに,嘉納は筑波大学の前身校である東京高等師範学校校長を25年に渡って務めた.

 嘉納は講道館を設立し,「柔道の父」と呼ばれているが,柔道だけでなく,日本のスポーツ・体育全般で大きな仕事を,エネルギッシュに成したことをつい最近知った.これについては,稿を改めて書いてみたい.

 プレッシャーの中,成果を上げた若い選手達に拍手.