土浦一高の旧制中学時代本館

NHK朝の連続テレビ小説おひさま」のヒロイン陽子(井上真央)の女学校時代は茨城県立土浦第一高等学校の旧制中学校時代の本館がモデルになっています.現地ロケも行われ,NHK渋谷スタジオに教室がほぼ忠実に再現されました.今日(6月5日)は土浦一高の学園祭で,同本館が公開されていました.

外観.「おひさま」でも何度も写っていました.

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Wikipedia: 茨城県立土浦第一高等学校 によると:

昭和51年、旧制太田中学校講堂とともに、全国の旧制中学の建造物として初めて国の重要文化財に指定された。 玄関の屋根裏から発見された棟札1枚も附(つけたり)で指定されている。

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その由来.
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教室の内部.きれいに保存されています.
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ここは何度も見学しているのですが,今回改めて思ったのは,天井の高さ.教室の面積はそう大きくなくても,気持ちいい.学生も先生も,教室を長時間使いますよね.だからできたら,気持ち良い環境で学びたい,学ばせてあげたい.これだけ天井の高さがある教室は,今日では相当に贅沢な造りとなってしまうのですが,あぁ,こういう教室で学んでみたい,学んでみなかったなという思いが沸き起こるを感じました.
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後部生徒席からの視線.
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教壇からの視線.
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廊下も幅は狭いのですが,天井が高い.いい感じです.
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窓からの景色も「おひさま」で何度も使われていましたね.ロケではなかったような気がしますが.
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校長室.格調ありますね.
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これは宿直室.昔は先生が交代で夜,泊まる習慣がありました.
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展示室.
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これが玄関の屋根裏から発見された棟札.
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なぜこの棟札が重要文化財か.設計した駒杵勤治は卓越した建築家.25歳で茨城県に設計技師として赴任.わずか2年3ヶ月の間に素晴らしい建築設計と次々と行った.その確実な証拠がこの棟札.

Wikipedia: 茨城県立土浦第一高等学校

竣工は1904年(明治37年)12月7日であり、設計者は駒杵勤治、施工は石井権蔵。駒杵は東京帝国大学工科大学建築学科を首席で卒業し、卒業後 茨城県営繕技師として赴任。のちに県技師。

1902年(明治35年)12月から1905年(明治38年)3月までのわずか2年3ヶ月の在任期間内に土浦中学校本館、 太田中学校(現太田一高)講堂(重要文化財)、水戸商業学校(現水戸商業高校)本館(一部移築、国の登録有形文化財)、龍ヶ崎中学(現竜ヶ崎一高)講堂(現存せず)、水海道中学(現水海道一高)講堂(現存せず)、麻生警察署(現存せず)、下館警察署(現存せず)などを手がける。 土浦中学旧本館はギリシャ建築の三様式の一つであるコリント派の建築物であり、アカンサスの葉をモチーフにした柱頭に特徴がある。
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ガラスが当時の手漉き(てすき).3月11日の大震災で,割れた多くは,後からはめられた新しいもので,オリジナルの手漉きガラスは,窓枠ごと落ちた物を除き,ほとんど被害がなかったとのこと.
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これが校門.
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毎月第2土曜日に公開しているそうです.
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