DPI(盗聴広告)が始まったらどうなるか

 DPIとはDeep Packet Inspectionの略.これに関して数日前にブログ記事を書いた.インターネット通信の中身を広告配信会社が収集・分析してそのユーザのインターネット上での行動,嗜好を把握し,そのユーザが好むであろう商品情報を,ユーザが閲覧するWebページに広告として配信する.Webページで目にする広告が,その人が欲しそうなものばかりとなる.

 DPIが可能になったら,激安あるいは無料接続のプロバイダーが出てくるかもしれない.広告配信会社が情報提供料をプロバイダに支払うのだ.インターネットプライバシーをほぼゼロとするのと引換に,激安あるいは無料でインターネットを使うのだ.(暗号通信は「盗聴」されないので,ゼロにはならない)

 プライバシーがほぼなしのインターネットを使うか,ほぼありのインターネットを使うか,それは各ユーザの自由だ.

 しかし,それだけでは済まない可能性がある.仮に既存ユーザがそちらに流れたら,既存プロバイダは
ユーザ数が減るのだから,接続料金を値上げせざるを得ないかもしれない.つまり,DPIの隆盛と共に,DPI拒否派は値上がっていくプロバイダ料金に耐えねばならない.

 既存ユーザはDPIを好まず,DPIをよしとするのは,プロバイダ料金がネックであるために,インターネット利用をためらっていたユーザであるとすれば,新規ユーザ開拓であるので,棲み分けが行われ,上記の影響は受けない.そのようなユーザは少ない気もするが,これから,iPad等の安価なインターネット閲覧端末の普及により,インターネットユーザは増加する可能性はある.例えば,老人家庭等.

 ここまで読んでも,私は断固DPI拒否派だと思っている皆さん,...それでは,DPI付きインターネットを使ったら,キックバックでお金をくれる,あるいは,商品購入時に割引サービス,ポイントサービスがあるとしたら??