これがWeb 3.0なのか

最近のWebブラウジングのパターン

最近の私のネットのお楽しみ&情報収集の一典型パターンは、Facebook(以下FB)を眺めながら「いいね」をクリックしたり、コメント書き、リンク辿り、そして気になった言葉をグーグル等で検索して、そこで知ったことをプライベートメモや、FBに書きこんでいくこと。これがWeb 1.0 & 2.0時代であれば、ポータルサイト、ニュース、ブログ、掲示板等、パブリックなページ眺めが中心にあって、時々グーグル検索…というパターンだった。グーグルは、検索を始めとする「巨大情報の構造化」を無料で提供しながら、ユーザが滞在するあちこちのページに広告を配信して、ネットのあらゆるところから広告料を集められると思っていたけれど、FBでのユーザ滞在時間は想定外に長く、FBも、当然の流れながら、広告事業を直接始めたので、今後の成長や、投資家からの期待度を考えたときに、グーグルは焦らざるを得ないというのが現在の構図。

ブログからFacebookへ(そしてブログへ)

ブログよりもFBに書いたほうが、書きやすい。これはTwitter的につぶやくことと、より長めに書くこと、写真を載せること、他のWebページの紹介とそれへのコメントが簡単にできるから。コメントするのも気軽だし、実名ベースなので「荒れない」ことも経験的に知られている。そして、IT業界の人からは、ブログ執筆量が最近、急速に減っているという話も耳にするようになった。私も、このブログ記事自体もそうなのですが、元ネタをFB上で書き込んだり、FB友達と議論しておいて、それをまとめてブログに転載ということをよくやるようになった。ブログに転載する理由は、FB上だと、目に触れる人の数が限定されること、検索エンジンに引っかからない事等の理由による。自分の名とキーワードを打てば、自分が過去に書いた文章を、ぱっと引き出せるのは大変に便利。誰かに知らせたい時も、ぱっとURLを引き出せる。

Web 2.0の時代

ブログやFlickrで一般人が情報発信する。ただ書くだけでは人に読まれず、反応が得られず、モチベーション上がらないけれど、グーグル等の検索エンジンが、他のネット利用者が見つけやすいように組織化、ランキング等をしてくるので、フィードバックが得られ、そしたまた情報発信しようとする意欲に結びつく。このようにしてネット上に出来上がったエコサイクルがWeb 2.0と呼ばれた。そして人々は次、Web 3.0はどうなるのか?という疑問も発した。 SNS上の人間関係グラフも検索したり、ランキングして組織化して、有用な情報源とするのか?

Web 3.0は?

そういう方向ではなかった。人間関係は、検索したり、ランキングするものではなかった。人間関係は、互いにインスパイアしあう、知や経験の交換の源泉であった。それはインターネット以前からある、人類が長く培ってきたもの。最近よく聞くようなった「絆」だ。「絆」がネット上に乗るようになったのだ。IT用語で言えば、人間関係ネットワークが、コンピュータネットワーク上にオーバーレイされるようになった。

3つのネットの衝撃

昔、私が電子メール/ニュースを使い始めた頃(インターネットの前のJunet/Usenet時代)、国内外の人と短時間にメッセージをやりとりできることに衝撃を受けた。これが私にとっての第一の衝撃。

第2の衝撃は、全文検索サービス(古くはAltavista、そしてグーグル)が登場した時、以前は見つからないと思っていたものが簡単に見つかるようになったこと。1995年頃、今は無きDEC社の全文検索サービスAltavistaで"Kazuhiko Kato"と入力して、私のWebページ情報が出てきたときは衝撃を受けました。YouTubeでもしばしば、こんなものが見られるとはと、感動することしばしばです。

グーグルやYouTubeで見つかるようになったのは、いわばパブリシティがあるもの、自分がパブリックとしたもの。パーソナルなものはあまりみつかりません。Facebookの登場で、30年くらい会えなかった、もしかしたら死ぬまでもう会えなかったかもしれない人と「会える」。衝撃です。これが第3の衝撃。ちょうど昨夜から今日にかけて、約30年前の大学時代サークルの複数の友人とFB上でつながり、30年後の関係者の写真とか見せてもらえて、笑いと感涙にむせんだところ。私と同業者がFB上で理屈っぽい話しをしていると、ここ25年間位会っていないサークル同窓生が「ふむふむ」などと、合いの手を入れてくる。素晴らしきクロスフィールド。これは、ネット時代の第3の波と言ってもいいかもしれない。敢えて聞かれたとしたら、やはりこれがWeb 3.0なのかもしれない。