ソフトウェアは、技術よりもデザイン、アタマよりもハートか

メールを整理していて、"Google Wave Sunsetting in 2012"というメールが11月24日付けで届いていたことに気付きました。Google Waveが間もなく終わりますというお知らせ。Google Waveは、共同作業(コラボレーション)を支援するツールの一つ。リアルタイム性重視に特徴があるよう。発表された2009年には、少なくともIT技術者・研究者は多いに注目しました。私も内容が公開されてすぐにグーグルが発表したプレゼン動画を見入った記憶があります。Google Waveの紹介記事は例えば下記。かなり詳細に説明されています。

Google I/O 2009レポート:【詳報】Google Waveとは何なのか?(2009/5/29)

今これを読むと、最初からとても技術-orientedなものだったことがわかります。「頭」で考えている。Facebookは当初はそんなに「ハイテク」ではなく、とにかく人々を実名、顔が見える世界でつなげることにこだわった。Facebookも進化の過程で「ハイテク」化はしていますけどね。人々が選んだのは、Facebook的なものだった。

2009年時点で、WaveとFacebookのどちらが成功するかを予見するのは非常に難しかった。壮大なる社会実験の結果、わかった。いや、当時はそもそも両者を比較するという考えすらなかった。Facebookが現在のような普及率、完成度を持っていなかったので。また、SNSへの注目度も全然高くなかった。向かうところ敵なし状態のグーグルの「次の一手」に、私も含めて、人々は興味津々だった。

ソフトウェア技術の難しさが端的に現れています。高度な技術を作れば、それが人々によって支持され、社会に役立つというものではない。ソフトウェア技術は、いわゆる技術、テクノロジーというより、デザインの分野に近い。アタマより、ハートと言っても良いかもしれない。いかにハートを捕らえることが出来るか?どうすればハートを捕らえるデザインができるのか、それはとても難しいこと。

どうすればデザインは成功するか? それが分かれば苦労はありません。おそらく、経験をもとに、ユーザの声を聞きながら、試行錯誤、スクラップ・アンド・ビルドをしていきながら、経験を積み上げていくしかない。難しく、奥深い分野です。