原発に関して一般庶民が抱くようになった心象
今回の原発事故を見聞きして,一般庶民が抱くようになったのではないかと思われる心象を言語化してみました.
1.今回のようにM9規模の大きな地震,津波がきても大丈夫なような原発を作ることは本当に出来るのか?現在の最新技術をもってしても無理ではないか?もし可能としても,立地場所が限られ,また,コストが大いに上昇して,その負担(電気料金)に庶民は耐えられない.今後,新規立地場所が本当にあるのかどうかも大いに疑問である.
2.既存の原発を,今回の規模の地震,津波が来ても事故を起こさないように後処置することは技術的に無理でないか.
3.仮に1, 2がクリアできても,作った後で,想定以上の規模の地震,津波がくる可能性が判明したり,可能性が判明する前に突如として来る可能性もあるのでないか.
4.そもそも根本的問題は,原発が長期間的な「全交流電源喪失」に耐えられないという構造的な問題に由来する.なので火力発電所程度に地震や津波に対して「安全」な原発を作ることは原理的に無理.
5.原発と付き合う場合は,リスクテイクするしかない.自動車や飛行機に乗るとき,あるいは,道路を歩いたり,自転車に乗るときに,事故に遭うことを覚悟しているのと同様.「絶対に安全」はない.
6.「止める,冷やす,封じ込める」は簡単でなく,人知を超える場合がある.原発を続けるとしたら,「皆さん,落ちるかもしれないけど,飛行機に乗りますよね.原発も同じようなものなんですよ」と説明するしかない.