原発が明暗を分けた理由

東北関東大震災(2011-03-11)で,福島第一がチェルノブイリに次ぐと言われる人類史上第2位の大事故を引き起こしましたが,福島第二原発,東海第2原発(第1は終了している)は継続冷却に成功しました.明暗を分けた理由を探してみました.

(1) 福島第2原発

日経(4/12)

福島第二原発は想定していた津波高さ5.2mに対して、第一原発と同様に海側の敷地高さは4mと低かったが、原子炉建屋の敷地の高さは12mあった。海側の敷地では浸水高さが6.5〜7mと完全に浸水したものの、津波は背後の法面を越えず、原子炉建屋の敷地へは浸入しなかった。ただ、1号機の原子炉建屋がある南側敷地側面では、海から直接浸入した影響で14〜15mの浸水高さがあった。

つまり,想定した津波の高さは実際の津波よりも低かったが,敷地の高さが12mあって助かった.

(2) 女川原発

共同通信(3/27)

宮城県沖地震など幾度も津波に見舞われた三陸海岸にある女川原発で、東北電は津波を最高9・1メートルと想定。海沿いに斜面を設け、海面から14・8メートルの高さに敷地を整備した。

つまり,最初から高台に作っていた.

(3) 東海第2原発

産経新聞(4/3)

東海第2原発では、再評価と同時に茨城県が19年10月に出した「津波浸水想定」に基づき対策を実施。冷却用海水ポンプを守るため、従来あった3.3メートルの防護壁に加え、昨年9月に取り囲むように側面にも2.8メートルの壁を設けた。同原発に押し寄せた津波は5メートルと福島第1の半分以下だったこともあるが、ポンプや電源は一部浸水しただけで、冷却を継続できた。

これは後から対処した事例.3.3, 2.メートルの防御壁.押し寄せた津波は5メートルで,福島第一の半分以下なのがラッキーであった.ポンプや電源の一部浸水にも関わらず,冷却を継続できた.