かぐや姫の「はじめまして」
私は特定の音楽を長いこと，しつこく聴き続ける習性がある．
「かぐや姫」は中一の頃からだから，35年くらい聴き続けている．コピー演奏を中学の頃からやった．かぐや姫，風，イルカのほぼ全曲．友人と二人組で．私はボーカルがあまりうまくないので，リードギター担当．
音楽のコピー演奏をしてみると，いかにしてプロのミュージシャン達が素晴らしい楽曲作り，演奏をしているのか，よくわかる．私がしつこく昔の音楽を聴き続けることができるのは，若い時にやったコピー演奏の影響であろう．昔の音楽を聞くと，あの時代が無意識のうちに蘇り，若くなった気になることが嬉しいのかもしれない．しかし，すべての曲をしつこく聴き続けているわけではなく，私にとっての（あるいは多くの人にとっての？）名曲・名演がある．
かぐや姫（正確には第2期と呼ばれる，南こうせつ，伊勢正三，山田パンダ）のアルバム（CD）は2007年にリマスター版が発売された．最近，それを買い集め始めた．まずはファーストアルバムの「はじめまして」．
- アーティスト: 南こうせつとかぐや姫
- 出版社/メーカー: 日本クラウン
- 発売日: 2007/04/04
- メディア: CD
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1. 青春（作詞 伊勢正三，作曲 南こうせつ，編曲 小山恭弘）
編曲者の小山恭弘の，ラグタイム風ピアノがよい味を出している．伊勢正三と山田パンダのバックコーラスもきれいだ．ライナーノートの記載からギターは石川鷹彦のようだ．
2. 雪が降る日に（作詞 伊勢正三，作曲 南こうせつ，編曲 南こうせつ）
当時のかぐや姫ファンが皆，このデュオコーラス（南こうせつと伊勢正三）と伴奏のミュートギターををコピーしたと思う．伊勢正三のファルセット（裏声）を綺麗にコピーするのはとても難しい．
3. あの唄が想い出せない（作詞 忌野清志郎，作曲 武田 清一，編曲 小山恭弘）
作詞が忌野清志郎．こんな唄も作るんですね．石川鷹彦らしいリードギター．このときに既に石川鷹彦らしいリードギターサウンドが確立していることが聞き取れます．
4. 僕は何をやってもだめな男です（作詞 伊勢正三，作曲 よしだたくろう，編曲 よしだたくろう）
作詞はこうせつと思いきや，正やんでした．作曲はこうせつと思いきや，たくろうでした．編曲も．エレキギター演奏でも参加（1stか2ndかは不明）．
5. 加茂の流れに（作詞・作曲・編曲 南こうせつ）
編曲まで南こうせつなんですね．てっきり石川鷹彦かと思っていました．才人といわねばなりません．こうせつのリードボーカルと石川のリードギターがきれいです．
6. 好きだった人（作詞 伊勢正三，作曲 南こうせつ，編曲 小山恭弘）
ハーモニカとオルガン（エレクトーン？）の音が聞こえますが，ライナーノートに記載が見当たりません．前者は常富喜雄さん，後者は木田高介さんかなと思うのですが．
7. ひとりきり（作詞・作曲 南こうせつ，編曲 小山恭弘）
楽曲，編曲，演奏，いずれもハイレベルでバランスしています．チェロがとてもよい味を出しています．石川鷹彦はリードギターではありませんが，さすがのサイドギターです．
8. マキシーのために（作詞 喜多条忠，作曲 南こうせつ，編曲 よしだたくろう）
このアレンジ，よしだたくろうだったんですね．印象的なエレクトーンは木田高介．ドラムも．デビューアルバムに入れるには濃すぎるほどの名演．ベストトラックを１曲だけといわれたら，この曲か．
9. 雨が空から降れば（作詞 別役実，作曲 小室等，編曲 青木望）
確か昔，NHKの「みんなのうた」でもやっていたように想います．短い歌詞にもなのに，心に染みる一曲．
10. 離婚歴３回（作詞 伊勢正三，作曲 南こうせつ，編曲 青木望）
コミカルな歌詞も得意だったんですね，正やん．こうせつ作詞家と思ってた．
11. じんじろ橋（作詞 関沢新一，作曲 南こうせつ，編曲 青木望）
昔のフォークミュージシャンは，日本の伝統を思わす歌詞，曲をレパートリにーによく入れていた．
12. あの人の手紙（作詞 伊勢正三，作曲 南こうせつ，編曲 青木望）
代表曲が何曲も入っているのがこのアルバムの特徴だが，とどめの一発．昔は，これくらいの曲を揃えられないと，メジャーデビューまで至らなかったのかもしれない．
仮にかぐや姫がこのアルバム一枚しか残さなかったとしても，かぐや姫とこのアルバムは，名バンド，名アルバムとして，日本のフォーク史に残ったであろう．
