iPadは産地直送
iPadをアップルストアで発注してあったのだが,出荷されたとのメール連絡がきた.配送状況をチェックすると,海外からのダイレクト発送.発送元は,中国の深センから.最近ニュース報道されている工場のあるところ(つぎのセクション参照).
つまりiPadは,国内の通常的商業流通経路や倉庫を通らず,産地直送(工場直送)なんですな.少なくともアップル直販の場合.つまり,地球規模のグローバルな最適化が商品流通においてなされている.おそらくは,人件費が最も安いところで生産し,生産工場から,ユーザの手元へ直接配送.徹底的に無駄を排することで,あの値段を付けることを可能にし,本社の利益を可能な限り最大化している可能性がある.
iPadは販売店の数を非常に絞り込んでいるらしい.つまり,ほとんどのアップル製品取り扱い販売店は利益をあげられない.利益をあげられるのは,アップル社と,生産工場と,運送会社のみ.これまでのIT機器販売とはちょっと違う.(デル社もこれに近いことをやっている可能性はある)
販売店の力を借りず,ほぼメーカー直販で商売ができるというのは,その商品が他を圧する圧倒的な商品魅力を持つ時と思われる.さらに「産地直送」をすることで,コストを切り詰めることができため,魅力ある製品を安価な販売価格で売れることになる.
経営側としては,高めに価格設定をして,大幅な利益を得るという選択肢もあろう.しかし,最近のIT製品はそのような戦略はあまりとらない.商品自体の魅力と価格的な魅力の双方で,圧倒的なシェアをとった方が,その後,有利な商売をできる可能性が高いからだ.最もわかりやすい成功例がiPod.iPod自体では設けず,iTunesStoreで音楽(等)コンテンツを売りまくって儲ける.
商品完成度による高い顧客満足度,そして,グローバル最適化された低価格提供.iPadに戦いを挑むライバル企業の道は険しいと思われる.そこをどう切り崩してくるか,今後の動向が興味深い.