ダン・ブラウンの「天使と悪魔」:本と映画

 ダン・ブラウンの「天使と悪魔」の映画版をDVDで見た。既に本で読んだ後。

天使と悪魔 (上) (角川文庫)

天使と悪魔 (上) (角川文庫)

 「ダヴィンチコード」も、先に本で読み、後で映画で見た。映画では、ダヴィンチコードの後なので、ダン・ブラウン(物語中の主人公、ハーバード大学教授)シリーズの第2作めとなるが、本では、「天使と悪魔」の方が先である。

 時間の都合でしょうがないのかもしれないが、私の印象では、あの映画では、原作の「凄み」は十分に伝わってこない。原作を読むと、よくこんな小説書けるなぁと感心する。「ストーリ」以外は事実らしいが、詳細によく調べられている。そしてそれをパズルのようにうまく緻密に組み合わせてある。物語の進め方も、読者をぐいぐい引き込む。

 それから映画では、主役のラングドンの活躍が物足りない。どうやって謎を解いているかも、わかりにくい。ある特徴ある人物が全く出てこなくて、その人物に関係する意外性あるエピソードが完全に削除されているのも残念だ。そして、そもそもあそこまでの事件を引き起こす動機説明が不十分だ。

 以上、原作を読んだ後に映画を観たので、少しバイアスがかかっているかもしれないが、映画版を観られた方にも、両方ともまだの方も、原作はお薦めの一冊(日本語版は上中下の3巻)である。