大学のマシンルームで文学賞作品執筆

 筑波大学が出している広報誌 Tsukuba Communications 最新号(2010.01発行(Vol.6, 30.16MB))を眺めていて感心したこと。
 筑波大学は私が知る限り、二名の芥川受賞者を出しているが、二人目の青山七恵氏(2005年卒)のインタビュー記事が同誌に掲載されている。青山さんはパソコンを自分でもっていなくて、大学のマシンルームのパソコンを使って、執筆を行っていたそうだ。それがデビュー作の「窓の灯」で、第42回文藝賞を2005年に受賞。卒業後、2007年に「ひとり日和」芥川賞を受賞、そして昨年2009年に史上最年少で川端康成賞を受賞とのこと。

窓の灯

窓の灯

ひとり日和

ひとり日和

かけら

かけら

 自分でパソコンを持たず、大学のマシンルームで何やら書いている人が、文学賞受賞とは、何やら嬉しくなります。


 もう一人の芥川受賞者は松村栄子氏(1961年生まれ)で私と同世代だ。面識はないが、同じ時期にキャンパス在籍していたことになる。受賞作は「至高聖所(アバトーン)」。

至高聖所(アバトーン)

至高聖所(アバトーン)

 この作品が私にとって驚きなのは、当時の筑波大の様子をダイレクトに描いていることだ。当時の筑波大の様子を昇華して、文学作品とし、それが芥川賞を受賞したというのは嬉しいことである。以前にもこちらのブログで一度とりあげたことがある。