ゴミを資源に:筑波大,体芸地区のエコステーション
筑波大キャンパスを歩いていたら,妙にカラフルなモノが目に入りました.
なぜこんなところにペットボトルが集められているのかな?ときょろきょろしていると,「どうかされましたか?」と声を掛けて下さった人達がいました.
ここは体育と芸術分野の研究・教育地区.通称,体芸地区と呼ばれているところ.男性の方は体育分野の栗本宣和先生,女性の方は大学本部の企画室の方.
筑波大学には「つくばエコシティ推進グループ」というグループがあり,その活動の一環で,栗本先生が発案されてこの「エコステーション」を始められ,「ゴミ」を「資源化」しているのだそうです.「資源化」とは,ゴミの種類を分別して,種類ごとに業者に「資源」として買ってもらうことだそうです.
「以前からゴミは分別していますけど?」と伺うと,従来は,分別しても,市にゴミとして渡しているだけだったそうです.自分達で取り扱い業者に売り渡すと確実に「資源」となる(市でも資源化しているのかもしれません).売り渡した収入は筑波大学に入金されますが,その分をこの地区の環境整備の予算として使えるそうです.自分で発案して,率先して実践する.素晴らしいことです.
私が感心したのは,この方達が通常の業務以外の,ボランティア的な活動として,試行錯誤を重ねながらこの活動をやっていらっしゃるらしいこと.この地区の学生さん達も手伝ってくれるそうです.
素晴らしいですね.ゴミは資源化され,環境整備が行われ,そして,それを「業務」としてやるのでなく「やりたいから」という気持ちでやる.そういうようなことを直接伺ったわけではありませんから,お話を伺う中から,そのような気持ちが伝わってきました.
肉体的にも疲労はする.しかし,費やされる時間と労力よりも,得るものが大きいと思えるからできるのでしょう.
...というような分析をついしてしまうのは,私が「通りすがりの者」だからであって,ご本人達は,やった方がよい,やってみたい,という素朴な感情に突き動かされてやっているのだろうと思います.
お話を伺い始めたときからずっと,女性の方が体を動かしていらっしゃいます.急いでいるのかな,あるいは,何かのトレーニング中なのかなと思っていたのですが,尋ねてみたら,「蚊に刺されないため」だそうです.通りすがりの者にはすぐにはわからない,いろいろなご苦労があるのですね,やはり.
額に,いや,前身に汗して働く人の姿は美しい.素朴にそう感じます.私など,滅多に汗して働きませんから,一層そう感じます.冷や汗はよくかきますけど...
お会いしたのは昼休みの時間帯.最後にこのようにきれいに「資源」をパッケージングして,「これから授業ですので,これで失礼します」と去って行かれました.