コピーライトフリーのブログ

内田樹氏の著書「こんな日本で良かったね」の冒頭文によると,同氏は(いつからかわからないが)毎年10冊ものペースで本を出しているそうである.どうしてこんなことが可能か.同氏のブログ「内田樹の研究室」から編集者がコピペして図書化しているそうである.このブログは「コピーフリー,転載フリー,盗用フリー」と公言し,勝手に切り貼りして,その人自身の名前で本にして出してもかまわない,コピーライトの侵害とか,知的所有権が蜂の頭とか,そういうせこいことは言いません,とまで言い切っているそうだ.編集者がたまたま編集して作った本に,著者:内田樹というラベルを貼って売っているのだそうだ.実際は,この著者名があることによって,読者の目に触れ,買ってもらえるのだろうけれど.

以下は私が感じたこと.

1.すごくインパクトのある考え方である.制限のないコピーライト放棄で,ソフトウェアの世界でも,ここまでの「オープンソース」で,しかも良質はものは,ほとんどないのではないか.

2.著書の文章とブログの文章をいくつか見比べたところ,本当に同じだ.内田氏はほぼ毎日,ブログ書き込みを行っているらしいが,「売れる」著書レベルの文章を毎日のように書く.本業は大学教員なのに.驚くべき文章力,そして,驚くべき量の,書くべきコンテンツ,つまり頭の中の「引き出し」だ.

最近,文系の方々の文章生産性には驚嘆すべきものを感じている.

こんな日本でよかったね―構造主義的日本論 (文春文庫)こんな日本でよかったね―構造主義的日本論 (文春文庫)

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