名編曲家にして,腕利きのマルチプレイヤー,木田高介のアンソロジーアルバム

木田高介(故人)のアンソロジーアルバムが発売されたことを偶然知りました.名アレンジャーにして,多数の楽器をこなすマルチプレイヤー.僅か31歳,1980年に夭折.この若さでありながら,彼が成し得た仕事はとても大きかった.皆さん誰もが知っている仕事の一つは,かぐや姫の「神田川」の編曲.あの編曲は絶品です.作詞・作曲・編曲・演奏が非常に高いレベルで調和しています.これが日本のフォークの代表曲の一つですと,堂々と世界に出せる曲.

木田高介アンソロジー~どこへ

木田高介アンソロジー~どこへ

彼の影響力がいかに凄かったかは,Wikipedia木田高介」の下記の記述から垣間見れると思います.

事故から約1ヶ月後の1980年6月29日、日比谷野外音楽堂木田高介・阿部晴彦追悼コンサートが開かれ、1万人近くのファンが集まった。この日は一日中、雨模様であった。北山修自切俳人)が泣きながら「帰って来たヨッパライ」を歌ったという。参加ミュージシャンは以下の通り。

ザ・ナターシャー・セブン(高石・坂庭・城田と石川鷹彦)、オフコース(小田・鈴木・大間・清水・松尾)、かぐや姫(南・伊勢・山田)、風(伊勢・大久保)、五つの赤い風船(西岡・長野・東・藤原)、吉田拓郎小室等遠藤賢司斉藤哲夫下田逸郎かまやつひろし、イルカ、りりィ(国吉良一+土屋昌巳)、はしだのりひこダ・カーポ山本コータロー五輪真弓加川良沢田聖子、ダウン・タウン・ファイティング・ブギウギ・バンド(坂庭の弟も出演)、金子マリバックスバニー、チャー、スピードウェイ、スクランブル・エッグ、上条恒彦、倍賞千恵子吉川忠英瀬尾一三岡本おさみ喜多条忠

死して30数年後,アンソロジーCD(2枚組)が発売される.素晴らしいことです.最新デジタル・リマスタリングで音が素晴らしくよい.付属のブックレットの内容も,時間をかけて作り上げられたと思われる,内容の濃いものです.

彼がナターシャのメンバーであった時代,私は高校生でした.亡くなる1-2年前に,箱根彫刻の森美術館で開催された野外ライブで,彼を間近に見ることが出来ました.私は30年間,彼のことを想い続けて来ましたが,それよりも何倍も,何十倍も彼のことを想い続ける人がいて,その人達のお陰で,このような作品が世にでることになったことを嬉しく思っています.